誤り制御符号の様々な分野への応用を検討し、応用先に適
した新しい機能を符号を提案し、構成・評価することを研
究テーマにしている。具体的には、以下のテーマについて
研究している。
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・誤り位置指摘符号
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誤り位置の概略を指摘する機能を有する符号であり、計算
機システムの故障診断に適している。具体的符号として、
半導体メモリシステムに適したバイト誤りを位置指摘する
符号を提案し具体的構成法を開発している。現在は、通信
システムや、ディスク装置で生じるバースト誤りの位置指
摘符号の研究も行っている。また、誤り位置指摘符号の理
論的検討により、本符号は既存の誤り訂正・検出符号を特
殊形として含むことも分かっている。
- ・圧縮データの高信頼化
- 圧縮データでは一部に生じた誤りが伸長後のデータ全体に
影響を及ぼすことが多いことに着目し、圧縮データの高信
頼化手法を研究している。具体的には、文書データの圧縮
に用いられる可逆圧縮法を対象とし、圧縮アルゴリズムを
考慮した誤り回復手法を研究している。
- ・不均一誤り制御符号
- 誤り制御符号の多くは語中のシンボル間の重要性の差を考
慮せず、全てのシンボルに均一の誤り制御を行っている。
しかし、実際の語は、数値データにおける上位桁と下位桁、
通信メッセージにおけるアドレスと本文、計算機語におけ
る命令とオペランド、のように他の部分に比べて重要度が
高い部分を有する場合が多い。そこで、この重要な部分を
他に比べて特に強く誤りから保護する符号について研究し
ている。