情報画像学実験II

実験II-1. 論理回路

回路作成例・解説


第2週目-課題1

いきないひっかけ問題であった。回路設計においては、論理値1は何を意味するか、論理値0は何を意味するか、これらの意味が直感と反対になっていることは少なくないので、十分注意すること。

発光ダイオードはアノード(陽極)とカソード(陰極)を持ち、アノードに高い電圧、カソードに低い電圧をかけたときのみ電流が流れ発光する。アノードコモン7セグメントレジスタは図1に示すようにアノードが共通となっている。使用時には共通アノードに常時高い電圧をかける。カソードは各ダイオード毎別々になっており、カソード側(カソードに接続する抵抗)にかける電圧によって、ダイオードが発光するかどうか決まる。カソード側に共通アノードと同じく高い電圧をかけたとき、電圧が等しいため、電流は流れない、つまり発光しない。カソード側に低い電圧をかけたとき、電流が流れ、ダイオードが発光する。以上より、7セグメントデコーダは発光させたいダイオードに対応する出力の電圧を低くする(つまり、論理値0にする)必要がある。


図1. 発光ダイオードと電圧

表1に7セグメントデコーダの真理値表を示す。また、真理値表に基づいて作成したカルノー図を図2に示す。

表1. 7セグメントデコーダの真理値表

I[3]I[2]I[1]I[0]ABCDEFG
00000000001
00011001111
00100010010
00110000110
01001001100
01010100100
01100100000
01110001111
10000000000
10010000100
それ以外XXXXXXX


図2. 7セグメントデコーダのカルノー図

カルノー図に基づいて作成した7セグメントデコーダを図3に示す。


図3. 7セグメントデコーダの回路図


第2週目-課題2

押しボタンスイッチもまた発光ダイオード同様、直感とは逆の動作をする。押しボタンスイッチの動作を図4にまとめる。押しボタンスイッチがオフのとき、電源とグラウンドの間に電流が流れないので、FPGA への入力における電圧は、電源と同じ高電圧となる。逆にオンのときは電流は流れない。電源とFPGA への入力の間にある抵抗において電圧が降下するため、FPGA への入力における電圧は低電圧となる。


図4. 押しボタンスイッチと電圧

作成した回路は表2のように動作する。

表1. 7セグメントデコーダの真理値表

スイッチ1スイッチ2LED
オフオフオフ
オフオンオン
オンオフオン
オンオンオン

第2週目-課題3

課題の図28に示しているように P43〜P46 に 0 を与えないと7セグメントLED は点灯しない。定数 0 はシンボル gnd から得ることができる。課題1で作成した回路 DECODER7 に対し、目的の回路は例えば 図5 のように作成することができる。この解答例では、押しボタンからの信号値について、直感的に扱えるように、値を反転させて使用している。


図5. 押しボタンの状態に応じ7セグメントLEDを表示させる回路


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難波 一輝 (助教・伊藤・北神・難波研究室)
工学部1号棟4階409号室、内線3255、043-290-3255、namba@ieee.org